季節の足跡
「ルチル様!お着替えを…」
パタパタと可愛らしい音を立てて、廊下を駆けてきたのは、メイドのミカ。
あたし専属の世話係。
ミカは途中で何かに気づくと、ピタッと足を止めた。
「…ウィ、ウィン様…」
かーっと顔が赤くなるミカが可愛くて、思わず微笑んでしまう。
「はよ」
「!お、お早うございますっ」
ウィンの短い挨拶に、顔を輝かせて返事を返すミカ。
…ミカは端からみてわかるぐらい、ウィンが好き。
最近二人の雰囲気はいいから、早くくっつけばいいのにって思う。
「オレだけ出会いないの、悲しー…」
「大丈夫よアズロ!そのうちあるから!」
「…それ適当に言ってない?」
涙目のアズロを励ましたあと、あたしはミカと一緒に着替えの部屋へと向かった。