季節の足跡

「ジークも!来てくれたんだ!」


あたしは、ぱぁっと顔を輝かせて、二人のもとへと駆け寄った。


「当たり前だろう!」


相変わらず、豪快に笑いながらそう言ったアルファに、あたしはえへへ、と微笑んだ。


アルファとジークとは、あの対談の日から、すっかりと仲良くなった。


今でも頻繁にお互いの国を行き来し、国の発展を促している。


「おや?花婿はどうしたんだ?」


アルファの何気ない一言に、あたしはどきっとした。


「…ま、まだ来てないみたい」


あたしと結婚するまではウェルス国第二王子だから、いろいろと大変なんだよ…ね。


「そうなのか?」


つまらなそうに眉をひそめたアルファにに、あたしは苦笑した。


あたしだって、早く会いたい。


待ちに待ったこの日が、ついにやって来たんだもん。



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