季節の足跡

「ちょっ…ライト!?」


人がせっかく勇気を出したのに!!


「…すみません」


そう言ったライトの顔が真っ赤なのを見て、あたしは驚いた。


「え、何、どうしたのライト」


「…全く、姫様には敵いません」


「へ?意味がわかんないよ」


眉根を寄せるあたしを見上げたライトの顔は、何か言いたげで。


口を開きかけたライトは、思い直したかのように、ただ笑って手招きした。


「?」


あたしは黙って、ライトと同じようにしゃがみこんだ。


―――途端。



重なった唇から、淡い熱が伝わった。



呆然とするあたしから、ライトは静かに離れる。


そして、何事もなかったかのように立ち上がると、そのまま歩き出した。


「ラ…ライト!」


我に返ったあたしは、慌ててライトのあとを追いかける。



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