季節の足跡
たくさんの人の、大きな拍手と歓声に迎えられながら、あたしとライトは花のアーチをくぐる。
そして、大広間の中央をゆっくりと歩き始めた。
通り過ぎるときに目に映る、みんなの笑顔。
それを見ただけで、何だか泣けてきた。
「姫様、笑顔を忘れずに」
そんなあたしにいち早く気づいたライトが、そう声を掛けてくれた。
だからあたしは、自然に笑うことが出来た。
壇上に上がり、あたしとライトは客席の方を向き、軽く礼をする。
再度拍手が沸き、徐々に静まっていった。
アゲートさんからマイクを受け取ると、あたしは口を開いた。
「…皆さん。本日はあたしとライトの結婚式にご出席いただき、誠にありがとうございます」
静まり返った大広間に、あたしの声が響く。
「皆さんには本当に…感謝しています」