季節の足跡

みんなの協力があったから、今、あたしはここにいる。


堂々と胸を張って、フォーサス国の女王ですって言えるんだ。



大好きな国。

大好きなひとたち…



「どうかこれからも、よろしくお願いします」



ありきたりな言葉。


でもあたしは、精一杯の気持ちを込めて言った。



会場が沸き、アゲートさんの司会のもとで、式が進行していった。


いろいろな人からのお祝いの言葉。

キャンドルの火が灯る中の、ケーキ入刀。



笑い声が溢れ、幸せな気持ちになる。


あたしはきっと、今日というこの日を、一生忘れない。


そして、ついに―――…



『それでは最後に、誓いのキスを』



あたしの心臓は、やっぱりまた暴れ出した。


目の前には、笑顔のライト。


つられて、あたしも笑顔になる。



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