季節の足跡

笑ったことで、一瞬緊張のほぐれたあたしは、驚くほど自然に。



―――ライトに、キスをした。



温かい拍手に包まれる中、あたしは勝ち誇ったように笑った。


するとライトは、困ったような顔で、



「…負けた。ルチル」



って言って笑ったんだ。



笑って。

泣いて。


時にはすれ違って。


遠回りしちゃったけど。



あたしたちは無事、ひとつのゴールに辿り着くことが出来た。


でも、ここからまた道は続いている。


ゴールであると同時に、スタート地点でもあるの。



これから先、どんなときも。


あたしの隣にはライトがいて、

ライトの隣にはあたしがいる。


ふたりの足跡が並ぶの。





ふたりで一緒に、七色に輝く明日を、越えていこう。



…ね?





-七色の明日 end-





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