季節の足跡

欲しいもの＝キラ長官。


…そんなこと、絶対言えない。


日が経つごとに、キラ長官への想いは増す。

でも、この気持ちを言おうと思ったことはなかった。


そばにいれるだけで、幸せだったから。


「…ロード？」


「うわぁ、っはい！」


一人違う世界に旅立っていたあたしは、急に現実に引き戻され、素っ頓狂な声をあげた。

キラ長官がクスクスと笑う。


…う。

穴があったら入りたい…。


「欲しいもの決まったら、言ってよ」


「………はい…」



思えば、このとき伝えておけばよかったのに。


そうしたら、あんなに後悔もすることなかった。



…ただ、あのときのあたしには知る由もなかった。


この先に起こる、出来事を。