季節の足跡
「わ…かり、ません」
あまりにも、自分の声が震えていることに驚いた。
あたしの様子を見て、ダン隊長は申し訳なさそうに顔を伏せる。
「…ごめん。不安なのは、お前も一緒だよな」
その言葉を聞いて、あたしは泣き崩れた。
不安で…胸が押しつぶされてしまいそう。
…信じなきゃだめ。
キラ長官は戻って来るって。
そう自分に言い聞かせても、涙は止まらなかった。
†††
キラ長官の消息は未だつかめないまま、半月が過ぎた。
毎日のように、夜中に空を見上げては泣いていた。
キラ長官がいない間、あたしが代理長官となった。
キラ長官の代わりなんて、あたしに出来るわけないのに。
この日、あたしは長官室で、こなしてもこなしても減らない仕事と向き合っていた。
突然、長官室の扉が開く。