季節の足跡
嫌でも聞こえてくる、カーネ司令官の声。
「現地にいる部下から連絡が入ったのだ。キラの胸ポケットに、"私に何かあれば長官室の机の引き出しにある手紙をロードに渡してくれ"と書かれたメモがあったと」
「…あたし、に…?」
カーネ司令官から、ゆっくりと手紙を受け取る。
見たいような、見たくないような…
不思議な気持ちだった。
「読んだら私のところまで届けてくれ」
そう言うと、カーネ司令官はすぐに背を向けて歩き出した。
「…ありがとうございます」
あたしはその背中を見つめ、小さくお礼を言った。
カーネ司令官の姿が見えなくなると、あたしは震える手で手紙の封を切る。
心臓の鼓動が速くなる。
小さな手紙を広げ、目を通した。