季節の足跡
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あの日から、十年の月日が流れた。
今では、書籍部の長官と言えば、セドニー長官。
あたしがキラ長官の手紙を渡した次の日には、もうはセドニー長官は書籍部に移籍していた。
キラ長官をなくして、あたしの世界は真っ白に戻りかけた。
でも、必死に支えてくれるひとたちがいた。
母、父、ユナ。
セドニー長官に、デュモル隊長。
二人は、ダン隊長が退職してしまい、あたしと同じように心に傷を負っていた。
なのに、毎日あたしに会いに来てくれた。
あたしだけ落ち込んだままで、いいわけない。
それに、小さな女王様にも支えられたんだ。
両親が亡くなってしまったのに、あの子は心が強かった。
必死に頑張っていて、あたしには輝いて見えた。
…あたしも頑張ろうって、思えたの。