季節の足跡

†††

あの日から、十年の月日が流れた。


今では、書籍部の長官と言えば、セドニー長官。

あたしがキラ長官の手紙を渡した次の日には、もうはセドニー長官は書籍部に移籍していた。



キラ長官をなくして、あたしの世界は真っ白に戻りかけた。

でも、必死に支えてくれるひとたちがいた。


母、父、ユナ。

セドニー長官に、デュモル隊長。


二人は、ダン隊長が退職してしまい、あたしと同じように心に傷を負っていた。

なのに、毎日あたしに会いに来てくれた。


あたしだけ落ち込んだままで、いいわけない。



それに、小さな女王様にも支えられたんだ。


両親が亡くなってしまったのに、あの子は心が強かった。

必死に頑張っていて、あたしには輝いて見えた。


…あたしも頑張ろうって、思えたの。



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