季節の足跡
気づけば、戦闘部隊長と闘えることに、ワクワクしてる自分がいた。
けどそれが何か悔しくて、無理やり闘う理由をくくりつける。
…まぁ、暇だから。
暇だからさ、暇つぶしに。
そう自分に言い聞かせ、俺は腕まくりをする。
「よし!準備はいいか?デュモル」
「………」
俺は無言で軽く頷いた。
辺りが夕日色に染まりだし、二つの影を照らす。
どのくらい闘っているのかわからない。
息も絶え絶えで、俺は何度も地面に倒れた。
そのたびに、「もうやめるか?」と問いかけられ、俺は唇を噛み締め立ち上がった。
俺の拳は、相手をかすめもしなかった。
悔しかった。
それに、気づいたんだ。
相手が全く息を乱していないことも。
全く本気を出していないことも…。