季節の足跡
「ブー、はずれ」
「は?」
起き上がった俺は、地面に座ったまま顔をしかめた。
「じゃあ質問を変えよう。お前は、何の為に闘ってた?」
何の為に?
「…相手に勝つ為に」
それ以外に、何があるんだ。
戦闘部隊長は、俺の答えに苦笑した。
「それは、決して間違いじゃない。けど…俺は違う」
俺が黙って先を促すと、戦闘部隊長は手のひらをその胸にあてた。
「自分を護る為だ」
俺は、思いっきり顔をしかめた。
「…何だよそれ。弱腰じゃん」
「今の場合だと、な。普段は他のいろんなものを護る為にたたかうんだ」
戦闘部。
俺は、たたかう為だけの部だと思ってた。
「護るんなら、護衛部があるじゃんか」
俺の指摘に、戦闘部隊長はウーンと唸った。