季節の足跡
「…キラ長官が…!?」
さらに二年後のこと。
城内に一斉に知れ渡った、書籍部キラ長官の失踪。
俺はダン隊長から受けたその報告が信じられずに、呆然とした。
そのとき隣にいたセドニーもまた、同じだった。
「そんなっ…」
そこまで言って、俺は口をつぐんだ。
ダン隊長を問い詰めたって、状況に変わりはない。
「…ロードは大丈夫なのですか?」
セドニーの問いに、ダン隊長は唇をぎゅっと結んだ。
「…しばらく、ひとりにしてやった方がいい」
俺とセドニーがダン隊長を慕うように、ロードもキラ長官を慕っていた。
その上司が、失踪。
平気でいられるわけがない。
それから数日間は、絶えず重苦しい雰囲気が立ち込めた。
ダン隊長は、始終空元気で、見ていて痛々しかった。