季節の足跡

†††

それからというものの、私は毎日、時間があれば剣術の練習をした。


運動という運動を、殆どしたことのない私は、明らかに周りに遅れをとっていたからだ。



認められたいと、思った。



ダン隊長…

そして、デュモルに。


私は、普段なら本を読む時間を、全て訓練の為にあてがった。

その成果か、着実に体力がついていった。



とある日、私は休憩時間に一人訓練をしていると、そこにデュモルの姿があった。


「よお、セドニー」


「…ああ」


陽気に挨拶をして近づくデュモルに、私は素っ気ない返事を返した。

これといった友人がいなかった為、どう反応すればいいのかわからなかったのが事実だ。


案の定、デュモルは「素っ気ねー」とケラケラ笑った。



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