季節の足跡

自嘲気味に笑う私に、デュモルはポツリと漏らした。


「俺と同じだな」


その言葉が信じられず、私は耳を疑った。


「…嘘だろう?」


そう訊ねた私を見て、デュモルは苦笑して首を横に振った。


「俺さ、戦闘部に入る前は、かなり喧嘩っ早くてさ。友達なんかいなかった」


空を仰いだデュモルの顔は、何処か寂しく見えた。

視線を足元に移してから、デュモルは続けた。


「一人だけ、仲良くなったヤツがいたんだ。だがそいつは、昔俺に殴られたダチの復讐の為に、俺に近づいただけだった」

「笑っちゃうだろ?」と私の方を向くデュモルに、私は何も言えなかった。


そんな私の顔を見て、デュモルは笑った。


「そんな辛気くせぇ顔すんなって。俺がいけなかったんだからさ」



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