季節の足跡
小刻みに頭を横に振るデュモルに、私は平静を装った。
戦闘部に入部してから、今まで行動を共にしてわかった。
私はどんなに努力をしても、デュモルには追いつけない。
デュモルこそが、戦闘部隊長にふさわしいと。
以前の私なら、そうと分かった途端、直ぐにでも逃げ出しただろう。
いつからか、私は書籍部の方が割にあっているのでは、と思い始めていたから。
…しかし、逃げたくなかった。
唯一無二の友と、共に戦いたかった。
けれど、こうなった今、そうは言っていられない。
デュモルこそが、戦闘部隊長になる男。
…その男の為に、私は身を引く。
ふざけるなと言われようが、この決意に変わりはない。
―――だから、許してくれ。