季節の足跡
†††
あの悪夢のような時から、早いものでもう十年。
あの日のやりとりは、今も私の頭から離れない。
けれど、胸を張って言える。
あの時の決断は、間違ってなんかいなかった。
…そうだろう?デュモル。
「…キラ長官。私は、あなたの後を完璧には継げませんでした」
キラ長官の眠る墓石の前で、私は呟いた。
「私は、書籍部であると同時に…戦闘部でもあるんです」
―――護る為に、たたかう。
いつだか教わったその考えは、今も私の念頭にある。
この国を、この城を。
私の大切なひとたちを。
…私は、護るためにたたかおう。
ふと、空を仰いだ。
空が微笑んでくれた、気がした。
ー白の記憶 side:セドニー endー