季節の足跡
―――戦闘部。
「おーい、ユナ」
デュモル隊長に呼ばれ、僕は軽く返事をし、隊長室へ入った。
「失礼します。…何ですか?」
僕の問いに、隊長は「コレ」と言って、一枚の文書を投げて寄越した。
僕はそれを受け取ると、宛名を確かめてから顔を上げた。
「…隊長、」
「んー?」
ペンを口にくわえ、気難しい顔で手元の書類を眺めている隊長に、僕は躊躇いながらも訊ねた。
「自分から申し出ておいて何ですが、本当に僕でいいんでしょうか?」
「え?俺の結婚相手?」
「寝言ほざかないで下さい」
苦笑しつつ、「冗談だって」と言う隊長を、僕は冷ややかな目で見据えた。
当たり前だ。
本当にあってたまるか。