季節の足跡
「デュモル隊長からの文書でしょ?」
「ああ、うん」
右胸のポケットから文書を取り出した僕は、ロードの手のひらにそれを乗せた。
しっかりと文書を受け取ったロードは、急にため息を漏らした。
「デュモル隊長ってば、なーんでユナに任せるのかしら」
「え?」
「こんな雑用みたいなこと、副隊長には任せなくない?」
眉をひそめつつ、文書をヒラヒラと振るロードに、僕は苦笑した。
…全く、このひとは。
僕が貴女に会うために、雑用のような仕事を進んで引き受けてるなんて、知るわけもないんだろうな。
お互いが、再婚相手の子供だった僕たち。
血の繋がりはないけど、実の姉弟のように仲が良かった。