季節の足跡


「………ユナ?」


その声でハッと我に返り、僕は慌てて返事をした。


「あ、ごめん!何?」


「もー。だから、今セドニー長官は留守だから、あたしが預かっとくわね!」


呆れた顔でそう言ったロードに、僕は何気なく質問した。


「セドニー長官が留守?どこに行ったの?」


…訊ねた後すぐに、まずいことを質問した、と後悔した。


ロードの顔がみるみるうちに曇り、その視線は地面を見つめた。


ロードがそういう顔をするときは、決まっている。


「…キラ長官の、お墓参りに」


ほらね。

やっぱりキラ長官絡み。


「ふーん。ロードは行かないの?」


ダメだとわかっていながらも、こんなことを聞く僕は相当の悪魔だ。



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