季節の足跡
でも、これくらいの意地悪なら許されるよね?
どんなに足掻いても、僕はキラ長官にはかなわないんだから。
僕のライバルは、もうこの世にいない。
そんなひとを、今でも想っているロードはバカだよ。
でも、それでも諦められない僕も、負けないくらいバカだ。
「…あたしは…」
「いいよ、答えなくて」
悲痛な表情で、今にも泣き出しそうなロードを見ていられなくて、僕はそう言った。
誰よりも、僕はロードのことを知っている自信がある。
人気のない時間帯を選び、一人でお墓参りに行くことも。
そこで必ず泣いてしまうことも。
…何時間も、佇んでいることも…。
全部、知ってるんだ。
だからこそ。
僕はキラ長官にはかなわないんだ、と認識してしまう。