季節の足跡

ロードが泣いてしまうのは、キラ長官への想いが強いから。


僕には、一度だって見せてくれなかった涙。


それを簡単に奪ったキラ長官が、どうしようもなく憎いんだ。



「…ロード、好きだよ」



思わず、感情に任せて言ってしまった言葉。

ずっとずっと、閉じ込めてきた言葉。


それを聞いたロードは、驚いて、でも笑って。


「あたしも好きよ?」


…ロードの"好き"は、僕の"好き"とは違う。


「………うん」


でも、いつか。

いつか、同じになる日が来たら。



僕があげた、その右手の中指に光る指輪。


その指輪を…

左手の薬指にはめてもらおう。



大丈夫。


空はまだ、僕のすぐ近くにあるから。





-群青の空 end-



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