季節の足跡

母の言葉に、ユナは頬を膨らませた。


「僕もう12歳だよ!ロードと2歳しか違わない!!」


まーた呼び捨てにする。

でも、ムキになるユナが可愛いと思う。


母はうーん、と唸って、何か閃いたように、両手をパン、と合わせた。


「じゃあ、こうしましょ!ユナちゃんも14歳になったらお城で働いていいわよ!」


「お、お母さんそんなアッサリ…」


「やだ!今すぐがいいッ!」


「ユナもっ!我が儘言わないの!」


騒がしくなった所で、父が帰って来た。


「何だ?騒がしいな」


母は嬉しそうに父に近づいた。


「ロードがね、好きな人の側にいたいから、お城で働きたいんですって♪」


「ちょっ、お母さん!?」


あたしが顔を真っ赤にすると、父は複雑そうな顔をした。


「…そうか…ロードにもついにそんな人が…よし、わかった」


うんうん、と頷く父に、ユナが涙目で訴える。


「お父さん!何で止めないの!?」


「ユナ、ロードを困らせない!」


父にでこぴんされ、ユナが呻く。



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