季節の足跡
それでも、確かに惹かれ始めてたんだ。
真っ直ぐな、あの瞳に。
気づいた頃には、自分自身を呪った。
相手は、この国の王。
それは、まだ俺の中では問題じゃなかった。
問題は、アイツに…好きなヤツがいたこと。
そいつには、俺は敵わないと悟った。
だから、奪いたいと思った。
アイツが自身の気持ちに気づかなければよかったのに、と思った。
…俺を好きになってくれれば、と思った。
けど、そんなの無理だ。
あの二人の間に、俺が入れる隙間なんかない。
「そういえばウィン、この前ライトに会ったときね…」
突然、アイツが伏せていた体を起こし、話し始めた。
あの護衛隊長…だったヤツの話をするとき、幸せそうに笑う。
それが、悔しくて。