季節の足跡
こんなボンクラなオレから見たら、君は誰よりも輝いて見えた。
仮のフォーサス国臣下になって、その想いは更に増した。
君みたいなひとが女王で、この国は幸せだなって。
そのときから、もうオレは君のこと好きだったのかな?
よくわかんないや。
ただ、この女王サマのもとで働きたいって思った。
このひとを、護りたいって思った。
君の傍にいることが、オレが輝ける唯一の条件だったんだ。
「…ねぇ、アズロはさ、自分の故郷に帰りたいとか思わないの?」
一人回想にふけっていたオレは、不意に呟かれた言葉で現在に連れ戻された。
「…何ソレ。どーいう意味?」
"帰れ"って遠回しに言われてる気がして、オレは顔をしかめた。
女王サマは手元の雑誌に視線を落としたまま、だって、と続けた。