ネガイゴト
「あ……ヌマタさん……?」
            
               
むくりと起き上がって、床にぺたりと座ったまま、半ば眠っているような惚けた笑顔を浮かべる。
        
            
「オハヨウゴザイマス」
         
              
子供が、覚えたての挨拶をするような口調で。

ぺこんと頭を下げてから、沼田を見上げて、タカヤが、笑う。

邪気のない、子供のような顔。
         
               
「まぁた、シャブやってたのか?」

           
靴先で、散らばったキンギョを集める。

へへぇ、と、タカヤが悪びれもせず笑う。

その胸を、沼田は軽く蹴った。

ほんの軽い力でも、タカヤはたやすく床に転がる。
           
 
             
「ほどほど、って言葉、知ってっか?」
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