うちの所長知りませんか?
「『まだまだ探す気ですか、それより僕と踊りませんか』……これが正しいのに、大恩寺さんは『それより外を歩きませんか』って言った。『まだまだ探す気ですか』っていうのは、僕らが大恩寺さんをってことなんだ。四時限目のそれと紙飛行機は連動してて、『外に紙飛行機を飛ばすから探してごらん』ってことなんだ」

「えっ、えっ、じゃあ、大恩寺先輩は自分が監禁されて、それを私達が探すってことも予測してたですっちゃ?」

「だからヒントを残してたんだよ、そして――」

紙飛行機が、ようやく一枚の紙になる。

「ここに、大恩寺さんからのメッセージが」

書いてあったのは――

「……さ、34……?」

たった二桁の、数字だけ。

「うあー、意味不明ですっちゃあー」

今回ばかりは僕も真美ちゃんに同意するよ、すごい意味不明……。

な、なぜですか大恩寺さん……なぜもっと率直に、例えば自分がどこにいるとか、だれに誘拐されたとかのヒントを書いてくれないんですか。

ポンポン、と白鳥さんが肩を叩いてくる。木刀で。

「三ノ宮くん、心中はお察しします。言ったでしょう、所長は変人ですと」

「余計なところまで変人であってほしくないです」
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