うちの所長知りませんか?
「考えてみれば、なにもかも『設定』じみていました。ヒントを繋ぎ合わせること、推理小説研究会との抗争――白鳥さん達が、僕から求めない限りこれといった協力をしてくれないこと――アナタの失踪事件そのものが、ひとつの茶番だったんですね?」

ようやく息が整った真美ちゃんが「うあー」と顔をあげた時、

「見事だよ」

大恩寺さんが、拍手を送ってきた。それは、蔑みのない称賛だった。

「すばらしい、今私がここにいることだけで、一瞬のうちに納得したんだね。そう、すべては私が仕組んだんだ。失踪、監禁、ヒント、捜索、すべては私のシナリオさ」

やはり、白鳥さん達がやけにぼうっとしてたのも……すべては僕に事件を追わせる『シナリオ』だったってことか。

「アナタのそのシナリオでは、推理小説研究会は使い捨ての駒ですね?」

「そこまでわかるのかい? 驚いたなぁ、それも正解。もっとも、彼らが捨て駒になるかならないかは、不確定だったけどね」

「生徒会長と言えど、こんなことをして……目的は推理研究会と対抗する推理小説研究会を潰すことですか」

「おや、あー残念、それはハズレだ」


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