うちの所長知りませんか?
大恩寺さんが僕の横を抜けるけど、振り返らない。彼も、僕に背中を見せたままだ。
真美ちゃんがちょっとおどおどしながら、僕の前へ回ってきた。
「なんの話ですっちゃ?」と、不安そうな目が言っている。
僕は大丈夫だよと、頭をなでなでしてあげた。
彼が言った。
「彼らは賭けに負けたが、僕は君の実力を知ることができた。やはり僕の目に狂いはなかったね」
そして、振り返る気配があった。僕も振り返る。
「うちは掛け持ちでの所属が許されてる。推理研究会に、ぜひ来てほしい」
彼の右手が差し出され、
「……お断りします」
僕はそれを取らなかった。
「これだけはた迷惑なことをしでかす人の研究会に入りたくありません。それに僕は占い研の代表でいっぱいなんです。お引き取りを」
「ふ、ふふふ、そう言うだろうと思ったよ。でもね、君には断れない理由がある」
「理由?」
「そうだよ。これを見てもらおうか」
ポケットからひょい、と出された物体に、真美ちゃんが「うあーっ!?」と奇声をあげる。
それは、きっちり袋の中に密閉されている、割れた水晶玉だった。
真美ちゃんがちょっとおどおどしながら、僕の前へ回ってきた。
「なんの話ですっちゃ?」と、不安そうな目が言っている。
僕は大丈夫だよと、頭をなでなでしてあげた。
彼が言った。
「彼らは賭けに負けたが、僕は君の実力を知ることができた。やはり僕の目に狂いはなかったね」
そして、振り返る気配があった。僕も振り返る。
「うちは掛け持ちでの所属が許されてる。推理研究会に、ぜひ来てほしい」
彼の右手が差し出され、
「……お断りします」
僕はそれを取らなかった。
「これだけはた迷惑なことをしでかす人の研究会に入りたくありません。それに僕は占い研の代表でいっぱいなんです。お引き取りを」
「ふ、ふふふ、そう言うだろうと思ったよ。でもね、君には断れない理由がある」
「理由?」
「そうだよ。これを見てもらおうか」
ポケットからひょい、と出された物体に、真美ちゃんが「うあーっ!?」と奇声をあげる。
それは、きっちり袋の中に密閉されている、割れた水晶玉だった。