うちの所長知りませんか?

占い研究会の代表は僕ですが、なぜ僕が……

研究会で使っていいことになっている教室――もとい、狭い四畳間を出て、僕と真美ちゃんは木刀少女の後ろをついていった。

長いポニーテールが、スマートに歩く彼女の動きに合わせて、左右へ揺れる。

「そういえば名乗っていませんでしたね? 私は推理研究会副代表、白鳥らりると言います。今の私は堅物ですが、もし普段の私を見掛けられたら、どうぞ気軽に声をかけていただいて結構です」

「は、はあ……」

いったいどんな自己紹介だろうと思っていると、また真美ちゃんが耳打ち。

「らりる先輩は〝二十面相〟の異名があるんですっちゃ。もとは演劇部で、どんな役にも即座に適応するらしいっちゃです」

「へぇー」

ほぅらやっぱり、推理研究会は大恩寺めもり以外の人も変人っぽそうだ。

「……なにか?」

と、白鳥さんが振り返る。

ドキリとした真美ちゃんをフォローするためにも、僕はやんわり愛想笑いを浮かべておいた。

「それで、所長を探すのは、どうやって? なにか手がかりとかあるんですか?」

「いえ、それがまったく」

正面に向いてしまった白鳥さんの表情は見えない。

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