あいつ様
自転車事故

「お前さぁ…まぢでいつまでいる気??」

頭のすぐ上で、溜息ともなんともつかないような声が漏れた。

突き放すようだけど、どこか優しいこの声。
 
この声に、たくさんの女の人達はノックアウトされてきたのかな…


自分こそが怒られてる張本人だってことは分かってるのに、

あたしは至って呑気にそんなことを考えていた。

「分かんなーい。しばらくはこのままだょー??」
のんびりと甘えるように言ってみたり…

けれど逆にソレは相手を逆撫でしちゃったみたいで、お兄ちゃんは

「あのなー、お前も成人してんだろぉ??家族に迷惑掛けてるなーとか
 思わないわけ??ココ、おまえん家じゃねーんだからさ…」

となおさら呆れてしまったようだった。

あーぁ、甘える作戦失敗…
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