時代魔レヂスタンス
翌日、私は小走りでクラウンへ向かっていた。
大丈夫、キッドなら無事だよ、だから私たちも笑顔で帰りを待とう、って。
そう言うんだ。
走りながら、頭の中で繰り返し繰り返し、そう言ってみる。
脳内の私は、いつしか満面の笑みを浮かべている。
そして、皆も、同じく顔いっぱいに笑顔を作っている。
きっと、昨日の喧嘩は嘘みたいだったな、なんて笑い話になるんだよ。
自然と、小走りが全速力になる。
冬のはじめ、冷たい風が、ひゅうっと吹き抜けた。