時代魔レヂスタンス

それから帰る支度をし、外に出ると、外では激しいデモ抗争があっていた。

道路一面に散らばった多くの学生が、機動隊と、鉄パイプや棒を振りかざして暴れている。辺りは一面にホースで水が撒かれ、地面は歓楽街のショッキングカラーのピンクやイエローで幻想的に染まっていた。

沢山の怒声や悲鳴と共に、そこらじゅうには血だらけの人が多く倒れている。デモが激しくなっていると、いつしかクラウンで話があった。今日はクラウンにミノルの姿がなかったので、今、この中のどこかにいるのだと思うと、少しぞっとする。

足早に去ろうと思っていたとき、足元にメットをかぶった学生が倒れ込んできた。

「!」

驚いて足が止まったときに、メットをかぶり、バンダナで口元を隠した男子学生が横からやってきて私に叫んだ。

「オイ!ここにいちゃ危ねえ!裏口から……」

その時だった。彼の後ろから機動隊が彼の後頭部を思い切り棒で殴り、彼は倒れてしまった。

「きゃ……」

それを合図に、他の男たちと機動隊とが叫び合いながら、また殴り合いが始まった。私は目の前で繰り広げられている恐怖に、思わず立ち尽くしてしまっていた。

「早く……!」

機動隊から地面に押さえつけられている男が、再び私に叫ぶ。

「逃げろ!!」

私の体がビクッと反応し、気付けば振り返って走り出して、その戦場を後にしていた。


< 210 / 240 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop