時代魔レヂスタンス

「ミヤはずっとずっと、大好きな写真ばっかり撮っていたんでしょう!?少しくらい……やっ!」

かんしゃくを起こす私を、ミヤは大きな体でゆっくりと抱き締めた。

「離して!」

彼の優しさと、このどろどろの感情とが変な化学反応を起こして、ますます私の中はぐちゃぐちゃになる。じたばたともがく私を、ミヤは更にぎゅう、と力を入れて強く抱き締めた。

「どうしたんだよ、ハル?俺はエミリーみたいな気性の激しい女にはなってほしくはないぜ」

ミヤの腕に、爪を立ててぐっと力を入れると、彼はイテッと小さく叫び、私を包む腕の力が緩んだ。

「死んだの!」

思い切り叫ぶ声が、少し掠れる。

「キッドもエミリーも、死んじまったんだよ!!」

ミヤの瞳が、一瞬大きく見開かれると、それはだんだん、悲しげな、深い色に変わった。同時に、私を抱き締める彼の力が緩んだ。

「いつでも……助けに来るって、言ったじゃないか……」

< 217 / 240 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop