時代魔レヂスタンス
「落ち着いて最後まで話を聞け。
アイツは、死んでない、未遂さ」
それを聞いたキッドの力が緩み、力也の胸ぐらを掴んでいた手を下ろした。
ぴりっと張りつめていた空気が少しやわらかくなった。
「やれやれ……ビビらせんなよ」
ミノルはため息をつきながらそう言うと席に戻り、くたっと座った。
「それで、エミリーは」
けれどキッドの方は厳しい顔つきで力也にそう尋ねた。
「山崎病院に入院してるんだとよ」
それを聞いたキッドはソファーにどかっと座り、二度三度髪をぐちゃぐちゃとかきむしると、不機嫌な様子でタバコに火をつけた。
誰も、言葉を交わさなかった。
店内では、マイルスのペットが鳴り響いていた。