らぶりぃ。
あっ、信号赤だ。

何台もの車が次々に目の前を通過していく。

ゾッとした。へたり込んだまま動けない。

「大丈夫?」

呆然とする私に優しくて穏やかな声が降り注いだ。

見上げると、小さな手が目の前に差し出されていて、私がその小さな手を掴むと、どこにそんな力が?と思うほど強い力で、軽々と大きな私を引っ張り上げて立たせてくれた。
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