らぶりぃ。
私が立ち上がると、小さな手の持ち主が私を見上げ、私が見下ろすかたちになった。

なんて小さな顔なんだろう。そしてなんて優しげな顔なんだろう。

「急に引っ張ってごめんね。ケガとかしてない?」

おっと、見とれてしまっていた。

「あ、いえ、あの、ケガは無いです。というか、危ないところをありがとうございました!」

「なら良かったぁ。思いっきり引っ張っちゃったし、動かないからケガさせちゃったのかと思った」
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