(短)君と…
「いや、俺が勝つ。」
「ちょっと待って!
私の意見はどうなるのよ!」
私が叫んだとき、
2人同時に私を見た。
「お前が選ぶんだよ!」
「安藤先生が選んで下さいよ!」
「は?私はどちらとも付き合う気は
ないんですけど…」
私がそう言ったのにもかかわらず、
2人は闘争心を燃やしていた。
それから2人の仲は
悪くなるばかりで、
いつもすれ違うたびに
激しく言葉を交わしていた。
2ヵ月後…
斉藤先生の転勤が決まった。
雄はものすごく
それに喜んでいたけれど、
ちゃんとした勝負じゃないことに
不満を抱いていたみたいで、
頬を膨らませていた。
転勤数日前に私と雄は、
放送で呼び出された。
「斉藤先生、佐久間、
俺はもうあと何日かでここを出る、
佐久間とは勝負できてよかった。
まだ、結果は出てないけど、
もう俺の負けだ。認めるよ。
そして、斉藤先生。
俺は本当にあなたが大好きでした。
それだけ俺は伝えたかっただけ。
じゃぁな。2人とも元気でな。」
そう言って、工藤先生は教室を
出て行った。