(短)君と…
私は出席を取るのに名簿を眺めた。
―ドクンッ…
心臓が勢いよく動いた。
まさか…!?
私の記憶の中にある名前。
“佐久間 雄”…。
さ…くま…ゆう…?
もしかして…?
私は震える手を押さえながら顔を上げる。
よく見れば見覚えのある顔だった。
正面から見たらかなり見覚えのある顔。
―振り返る事、2年前…
彼が中学3年生の頃。
高校受験を控えた彼は、
家庭教師を雇った。
その家庭教師をしたのが私で、
その教え子が…そう、
佐久間雄…彼だった。
私と雄は家庭教師と教え子…
という関係を崩してしまった。
お互い…恋に落ちてしまった。
私は…これ以上の関係になるのが、
本当に怖くて逃げた…。
彼の前から突然姿を消して、
彼に見つからないように過ごした。