魔法の角度
太陽
夜、7時。
時間通り僕は行ったのに、藤金さんに遅いと怒られた。
もうすっかり辺りは真っ暗。
部活も終わっていて、人もいない。
夜の学校は少し不気味に映った。
B棟の壊れてるドアから入って、真っ暗な廊下を歩いた。
中央階段を僕と藤金さんは並んで上る。
「ドキドキする。
怖いね~。」
口では怖いと言いつつも、藤金さんは楽しそうだった。
非常灯の緑色の光だけでは僕には頼りなく思えて。
誰か人に見つかったらどうしよう
とか
ダレカに出会ったらどうしよう
とかそんな不安が頭から離れなかった。
でも、彼女の手前、その恐怖は頭の隅に追いやった。