魔法の角度
金星
僕は屋上のど真ん中に大の字に寝転ころがって空を見上げる。
誰も来ない、1人で過ごす昼下がり。
今日もいい天気だ。
教室は苦手だ。
女の子たちが友達の悪口に花を咲かせる。
男の子たちが下らない見栄の張り合いをする。
そういう空気が嫌いだ。
まぁ、そんなこと言ってる僕も、彼らと大して変わらないのかもしれないけど。
昼休みは屋上で過ごす。
いつの間にか、習慣になった。
本当は屋上には入っちゃいけない。
普段は鍵もかかってるから入れない。
だから1人になれるというわけ。
僕が入れるのは、偶然とおばさんウケがいいことのおかげだ。