魔法の角度

「でもね、違うんだ。

宇宙には無数に星があって、どれも光ってる。
ちゃんと地球に光は届いてる。
遠すぎて光が弱すぎて、人間の目には感じ取れないだけなんだ。

だから、真っ暗に見えてもホントは星があって光ってる。

闇だって光なんだ。

もちろん、金星の周りだって輝いてる。」



「…そうなんだ。」



「自分で輝いてなくても、太陽より金星のほうが、断然素敵だと僕は思うよ。」



これは本当だから。



藤金さんは何かに悩んでいるのは確かだった。

僕なんかが言っても慰めになんかならなかったのかもしれないけど。

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