魔法の角度

「…青地くんは優しいね。」

「ぅえ!?そ、そんなことないよ。」

声が裏返った僕に、彼女はにっこりと笑った。

いや、にっこりと笑った気がした。

空を見ていた僕は彼女の表情が分からないから。





「金星ってね、地球、太陽、金星って結んだ角度が40°の時一番綺麗に輝くんだって。」

彼女が言った。

それは知らなかった。

反射光だから角度が関係あるのか。



「詳しいんだね。」

僕が感心してそう言うと、彼女は嬉しそうに笑った。

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