魔法の角度

「私の星だから。
調べたの。」

「その割には、あれが金星だって知らなかったじゃん。」

僕が少し意地悪言うと、

「だって、金星っていちいち場所が変わるじゃない。
星座早見表に載ってないんだもん。」

だから惑星っていうんだけどね。



「金星が綺麗に輝く条件に太陽が入ってるのが残念だよね。」

彼女がボソッと言った。

「え?」

「なんでもないよ。」



「…高村さんとなんかあったの?」

気になって、ズバッと聞いてしまった。

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