魔法の角度

気が付いたら、僕は叫んでいた。

後悔した時には、すでに遅かった。

言い訳なんてできないセリフを僕は彼女に言っていた。





「僕は、金星が好きなんだよ!!」





真ん丸にした目で僕を見上げる彼女。



そして、藤金さんは静かに起き上がる。



沈黙を初めて沈黙だと感じなかった。

いや、沈黙だと気付かなかった。



僕と彼女の唇の距離は、近付いて、また離れた。



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