魔法の角度
地球
僕は屋上のど真ん中に大の字に寝転ころがって空を見上げる。
誰も来ない、1人で過ごす昼下がり。
今日も空は青かった。
教室は嫌いだ。
悪口言う女子に、チャラチャラしてる男子。
そんなことも気にならないぐらい、彼女に目がいってしまう自分。
最悪だ。
ガチャとドアの開く音がして、ふっと、目の前が暗くなった。
空を見上げていた僕の顔を覆うように覗き込む影。
太陽からの逆光で顔はよく見えない。
だけど、掃除のおばさんじゃないなんてとっくに気付いていた。