魔法の角度

「なんで逃げたのよ。

夜の学校に置き去りにするなんてヒドイ。」

藤金さんは頬を膨らませた。

「ヒドイのはどっちだよ。」

キスなんかして…、って言葉は飲み込んだ。

僕には恐れ多い単語な気がした。

「青地くんがヒドイ。
私に、返事させてくれなかった。」

「ご、ごめん。」

なぜか謝りながら、僕は起き上がって、彼女と向かい合って座った。



「返事してもいい?」



僕は覚悟した。

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