魔法の角度

「私の好きな人は、

『地球』くんです。」



ちきゅう?

そんな奴いたっけ?



「頭よくて、一匹狼で、背はそんなに高くなくて、無口で、だけど優しい天文部の『地球』くんが私は大好き。」



「それって…!?」



彼女はえへっと笑った。

ちょっと照れたような、初めて見る笑顔。



「私は青地くんが好きです。」



時間が、止まった。



あの、憧れの藤金さんが、地味な僕なんかを、好き!?

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