魔法の角度
「でも、昨日…、好きな人は高村さんが好きだって…。」
「逆に質問。
青地くん陽日のこと好きだったでしょ?」
僕はブンブン首を振った。
「逆の質問に逆に質問。
なんでそうなるの?」
「だって…、ずっと見てた。
だから、青地くんは陽日が好きなんだと思ってた。」
勘違いだ。
僕は高村さんを見たことなんか、1回もない。
見てたのは…。
「藤金さんを見てたんだよ。
クラスで一番、綺麗だから。」
「嘘。
陽日でしょ。」
彼女は拗ねたようにプイッと目線を反らした。
藤金さんってこんなに可愛かったっけって思った。
今までの何千倍も可愛い。