魔法の角度
神様、これは頬をつねっても覚めない夢でしょうか?
僕は大きく息を吸った。
「2回目だけど、僕は、金星が好きだよ。」
前よりは堂々と言えた。
風が吹き抜けて、彼女のシャンプーの匂いがした。
「続きは?」
彼女は上目遣いで僕をほんの少し見上げる。
「つ、続き!?
ええーっと…。
…あっ!
僕と付き合って下さい!」
「もちろん!
私はずっと青地くんが好きだもん。」
彼女が僕に倒れるように抱き付いた。
0cm。
僕と彼女の距離。
奥手な僕は抱き締め返すこともできず、ただ、ドキドキバクバクしていた。